慢性痛とは

人間には「自然治癒能力」が備わっていることについて述べてきました。そうは言っても、首や肩、膝などに慢性的な痛みがある人も多くいます。もちろん心因性の原因もありますが、もうひとつ多い原因として「脳の錯覚」というものがあります。これが痛みを長引かせたり、増幅させてしまうのです。

簡単な痛みの仕組みを見ていきましょう。痛みとはそもそも「傷を負った」という情報が、脳に伝わって始めて痛みを感じるという仕組みになっています。例えば腰痛の場合であれば、「腰」→「末梢神経から脊髄(神経)」→「脳」という順番で伝達が行われています。研究のひとつの説によると、「痛みを感じるのは脳の中の、前頭葉の一部」と考えられています。この部分が、痛みを緩和されるという指令を出しています。ということは、この部分の活動が低下をしてしまうと「脳の誤作動が起きてしまう」可能性があるのです。例えば、「もう怪我は治っているのにずっと痛みだけは感じている」「少しの刺激でも大きな痛みを感じる」「痛みが記憶となって再生されてしまう」などです。これは慢性痛の症状のひとつと言えます。「痛い」と感じたことは、脳に記憶されてしまいます。更にその記憶が何度も(慢性的に)行われることで、痛みの記憶は強化されていってしまいます。痛みを感じた時にイライラした。不安になった。こういった感情も記憶されてしまうので、別のことでイライラすると、同時に痛みを感じてしまう、「痛みのスパイラル」に陥ってしまうのです。

これらを断ち切る方法は、「記憶を書き替える」というのがひとつの手段と言われています。「痛いと感じたが、こういう対処をしたことで解消できた」という前向きな記憶で上書きしていくのです。

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